【あとがき】

さっくり終わらせるつもりだった話でしたが、ここまで長くなってしまいました。
今回ちょっとばかり推理小説風を目指してみました。いかがだったでしょうか。手がかりが結構バレバレだったり、最後に一挙解決にすればいいのに、せっかちでつい喋ってしまう性質なので(笑)謎とヒントを出す先から次の節ではネタバレしてて、忙しなかったかしらんというのが反省点です。
反省点というと、結社に関する詳細部分と、リーザ・レジーナ・ヤコブの前科に関する話とか背景の描き込みの甘さが最大だと思います。この作品の重点はそこでは無かったから、という理由で端折ったんですが、序盤でいいだけ仄めかした分消化不良になったかなあとも思います。

正直言ってしまうと、人狼側の思想の作りこみが足りませんでした。リーザが「空になった云々〜」と言っている部分は単に、青の会の偽りの教義であるグノーシス主義のカイン派(肉体を穢れた物とする思想)から来たものという事にしてますが、統率する結社の考え方に関してがまだ曖昧でした。
カトリックと対を成す思想に関しては自分が苦手だという事もあって下調べが足りませんでした。調べが足りず、どういう背景でそういう思想が生まれ、どういう道を辿ったのかが解らなければ、登場人物に魂を込めて語らせるのは難しいです。
ただし、深く調べたところで果たして真相が解ったかどうかは…わからないですね。ジムゾンとモーリッツの話でジムゾンに言わせていたとおりの現象が起きてしまって、私は最終的に結社の陰謀にしなきゃいけなかったので(笑)二重構造という解釈を取ってみました。
好みや善悪の判断で資料をえり好みするなという教訓と同時に、今回トーマスは根っから毒されていたわけではないから、いいかなと思うことにしています。(待て)
あ。
※この作品はフィクションであり、実在の団体・個人とは一切の関わりがありません。

今回のタイトル「青の楽園」青はキリスト教圏においては聖母の色とされていますが、ドイツで偽りを示す色という認識もあるという事で、副題としてつけている「Fiktiv Paradies」、実際の本質的なタイトルとしては「虚構の楽園」でもありました。
ちなみにイエスに愛された弟子であるヨハネの衣も赤なんだそうです。映画「ダヴィンチ・コード」でマグダラのマリアと解釈されている「最後の晩餐」の女性的な人物は、一般的にはヨハネと言われているそうです。
最後ジムゾンの台詞でくどく説明してしまいましたが、ジムゾンとトーマスの父子二人の慎ましい暮らしは、トーマスの欲望を具現化した虚構の楽園だとジムゾンに解釈させました。が、フタを開けてみればジムゾンを過去の辛い記憶から守る為の物だったと。そういう事でした。
本当はもう前者解釈そのままで突っ走るつもりで、だから当初「ブログ行き」を予定してました。

そいで、最後にディーターが実は…というのをどうハッピーエンドに持っていくかが最後の難関でした。
「ぅぉおおおどう転んでもバッドエンドじゃあー!!」
と、悩みまくってました。
ディジムブログ、フェーゲフォイアー的にはそこでディーターに襲われるまま関係を持ってしまってドロドロと終わるでいいわけなんですが(むしろそっち推奨?)さすがにここでは無理でした。
顔○だのジムゾンの下着を使った○慰だの変態臭い描写は仄めかしたりしましたが、なんとか、サイトに表立って載せられる内容ギリギリ?な線で止められたかなあ、と思っています。

推理小説はシャーロックホームズシリーズを全部と、アガサクリスティの小説を幾つか読んだ程度でさてどうやるべきかと推理小説そのものを調べたりもしてました。
歴史的に言うと聖書が最古のミステリーになるのだとか。そういえば、使徒の書簡やその言説を付き合わせた物を、合致する点を探したり相反する点を合うように解釈したり、今回チラと出したソドムの解釈一つ取ってもそうですが、真実が果たして何であるのかは主の世紀を2000年以上過ぎた今でも完全には解らない魅力的な謎ですね。
そういった諸々の事象を振り返るに、本当に、書き連ねた言葉というのは単に道具なんだなと思います。
おっと、話が脱線しました。

この度は「青の楽園」に最後までお付き合い頂き、まことに有難うございました!
また次回長編をお披露目できる事を祈りつつ…。





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